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◆ 夏の空色 投稿者:  引用する 
ねこ 「夏の空色」の電子書籍版を手に入れて読みました.こんな純粋な,切ない,そして美しい物語に出会って,心を持って行かれた状態になりました.こんな経験は多分これまでありません.絵,ストーリー,きめ細やかな心情の表現,そして言葉が美しい.この美しい言葉のやりとりは,きっと今では成立し得ないでしょう.登場人物とその設定,それを支える社会状況,ファッションなどを含む細かい設定,どれを変えてもこの美しさは壊れてしまう気がします…

今読んでみて印象的なのは,入試というものの重みが今と比較にならないこと.選抜が厳しく浪人も当たり前(今は医学部以外浪人はほとんどいない),入試を超えていくことはとても苦しく,18歳の選択がとても重かった.竜彦も入試を前に人生の意義を見いだせず苦しみ,小夜子との出会いで初めてそれを超えるエネルギーを自分の中に見いだしたり,入試に疲れて小夜子を見失ったりする.また小夜子も自分の病状ゆえに,また竜彦の困難を思うがゆえに,自分の思いを封印し,少しずつ疲れてゆく.通信手段が限られていて,自分の意志を相手に伝えることがなかなかできず,相手を思いやるけれど少しずつ思いがすれ違い,また相手を思いやるが故に自分の欲求を抑え,それにも疲れていく.お互いに相手を求め,心は許しあっているのに,何もかもがもどかしい.

そして,竜彦がもどかしい思いやりを捨て去り,心のままに狂おしく小夜子を求め,小夜子も竜彦を求める自分に改めて気がつき,ようやく2人は結ばれる.これほど美しいシーンを私は見たことがありません.そして,突然やってくる永遠の別れ.

確かにこの物語には救いがなく,悲しみで終わっているのですが,その悲しみは著者のフィルターで浄化されていて,悲しみの中に美しさが結晶しています.とても悲しくて切ないけれど,苦しさがない.むしろ余韻で私たちも浄化されるような気すらします.

1960年代から70年代にかけて,夭折した若い人の生活や愛を綴った手記などが一種の流行となりました.その影響ももしかしたらあるのでしょうか.しかし,著者自身の内部深くでの強い葛藤と苦闘がなければ,心に響く物語は紡げないはず.残念なことに世の中は,そして生きていくことは汚濁にまみれ,人間関係,特に男女関係は欲と善意と悪意でドロドロしています.また,私たちの日常生活は平凡で,変わったことは通常起こりません.著者の苦闘で,日常の平凡と背後の汚泥の中から取り出されたこの物語は,細かい舞台設定などどれ1つを欠いても壊れてしまう,精巧でもろく美しい,奇跡の結晶のように思われます.

この哀しく美しい物語を電子書籍という新しい形で読むことができることに,感謝します.また,心を持って行かれてしまい,行き場のなくなった思いを表現できるような場を運営しておられる,Chiakiさんに感謝致します.長文で失礼しました.

2016/02/07(Sun) 16:11:33 [ No.40 ]

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